30代以降の方が一般職の正社員として就職することは非常に難しいです。前職までの実績や所有している資格などが認められて再就職できる中年層はごく一部と言えるでしょう。一般的な企業は、年齢を重ねると将来性に期待しにくいという考え方を持っています。
一方、福祉・介護業界においては、年齢や経験を気にせずに正社員としての就職を望みやすいです。異業種に従事してきた方が介護職に転職し、正社員として働いているケースは珍しくありません。しかし、職種によっては非正規社員での雇用を望む方が多い傾向があります。介護職の勤務は肉体的にも精神的にも過酷なため、実務の他に正社員の責任を負うことに抵抗を感じている方が少なくないからです。その原因の一つとして、正社員の勤務によって得られる経済的な安定と任される過剰な仕事量が相応していないことが挙げられます。
ホームヘルパーの場合には、高齢者の居宅での介護業務がメインとなっていて短時間勤務が選びやすく、正社員と非正規社員の割合は2対8となっています。施設において介護サービスや生活支援に携わる職員の場合は、夜間勤務が含まれているため正社員の勤務形態は変則的になりやすく、生活バランスの維持が難しくなってしまいがちです。そのため、職員の割合は6対4となっているのです。どちらの職種も正社員として活躍しているのは40・50代の方が多く、新たな仕事に挑戦できる場所としての魅力を持っています。勤務している男女比率は8対2で、圧倒的に女性が多い業界です。介護業界は、女性ならではのきめ細やかな気配りや手厚いサービスが求められています。介護の仕事に興味があれば、いくつになってもチャレンジできるチャンスがあります。